「領収書が溜まって、確定申告の時期が憂鬱だ……」
「今月、実際いくら経費に使ったのか把握できていない」
フリーランスや個人事業主として活動していると、避けて通れないのが日々の経理作業です。もしあなたが今も「現金派」なら、知らず知らずのうちに年間数十時間分の労働時間と、数万円単位のポイント還元をドブに捨てているかもしれません。
今回は、フリーランスがクレジットカードや電子マネーを「事業の武器」として使い倒すべき、財務的な根拠を解説します。
結論:フリーランスは「私用」と「事業用」の2枚持ちが必須
結論から申し上げます。フリーランスは、「事業用決済の100%キャッシュレス化」を目指すべきです。
その最大の理由は、ポイント還元ではなく「データの自動連携による経理コストの削減」にあります。
1. 経理作業が「分」単位に短縮される
現金払いの場合、領収書を見ながら日付、金額、科目を手入力する必要があります。しかし、事業用カードを『マネーフォワード』や『freee』などの会計ソフトに連携させれば、明細が自動でインポートされます。
- 現金派: 1件あたり入力に約1分 → 100件で100分。
- キャッシュレス派: 自動取り込みを確認して「登録」ボタンを押すだけ。100件でも数分で完了。
2. 「経費の漏れ」が物理的にゼロになる
少額のカフェ代や駐車場代など、現金だと領収書を紛失しがちな出費も、履歴として残るため、確実に経費計上できます。所得税率が20%の人(課税所得330万〜695万円未満)なら、500円の経費を計上し忘れるたびに100円の現金を損しているのと同じです。
比較シミュレーション:現金 vs クレジットカード
年間300万円の経費(仕入れ、PC代、交通費、交際費等)を支払った場合の比較です。
| 比較項目 | 現金払い | クレジットカード(還元率1.0%) |
|---|---|---|
| 獲得ポイント | 0円 | 30,000円分 |
| 記帳にかかる時間 | 年間 約20〜30時間 | 年間 約1〜2時間 |
| キャッシュフロー | 支払った瞬間に現金が減る | 最長2ヶ月支払いを猶予できる |
| 経費漏れリスク | 高い(領収書紛失など) | 極めて低い(履歴が残る) |
シニアライターの視点:
ポイント還元も魅力ですが、注目すべきは「支払いの猶予」です。月末締めの翌月27日払いなどのカードを利用すれば、「先に仕事の報酬が入金され、後から経費を支払う」という健全なキャッシュフローを構築できます。
フリーランスが注意すべき「キャッシュレスの罠」
メリットばかりではありません。事業主として以下の2点だけは徹底してください。
① 「私用」と「事業用」を混ぜるのは「末路」への第一歩
プライベートの買い物と仕事の経費を1枚のカードで混ぜてしまうと、税務調査の際に「公私混同」を疑われるリスクが高まります。また、会計ソフトに取り込んだ後に「これはプライベート、これは経費」と仕分ける作業が発生し、自動化のメリットが半減します。必ず事業専用のカード(または家族カード)を用意してください。
② 税金の支払いは「手数料」を計算すること
国税(所得税など)をクレジットカードで払う場合、約0.83%(税込)の決済手数料が発生します。還元率が0.5%のカードで支払うと、逆に損をしてしまいます。税金の支払いは「Amazon Pay(Amazonギフトカード)」や「請求書払いができるスマホ決済」を賢く使い分けましょう。
今日からできるアクションプラン
「キャッシュレス化、何から始めればいい?」という方は、以下のステップを今日中に踏んでください。
- 事業専用カードを1枚決める: 新規で作らなくても、手持ちの1枚を「今日から仕事用にする」と決めるだけでOKです。
- 会計ソフトと連携させる: 5分で終わります。
- 現金払いをやめる: 次のカフェ代から、スマホ決済やカードを使ってみてください。
フリーランスにとって、最も貴重なリソースは「時間」です。
経理の「自動化」と「キャッシュレス」は、あなたが本来集中すべき「本業」に時間を割くための、最も低コストな投資です。
