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デスク・チェアは経費になる?10万円の壁と減価償却ルール

デスク・チェアは経費になる?10万円の壁と減価償却ルール 確定申告・税金
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「在宅ワーク用にデスクとチェアを買いたいけど、経費で落とせるのかな……」

フリーランスなら一度は考えたことがあると思います。結論から言うと、事業に使うデスク・チェアは経費にできます。ただし、金額によって処理方法が変わる「10万円の壁」があり、ここを間違えると確定申告で修正が必要になることも。

この記事では、デスク・チェアの経費計上ルールを、金額帯別にやさしめのトーンで整理していきます。

※本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。令和8年度税制改正により、少額減価償却資産の特例の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられました(2026年4月1日以降取得分から適用)。

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結論:金額で処理方法が3パターンに分かれる

デスクやチェアを買ったとき、税務上の処理は購入金額(税込 or 税抜)によって3つに分かれます。

購入金額処理方法経費になるタイミング
10万円未満消耗品費として一括経費買った年に全額
10万円以上〜20万円未満一括償却資産(3年均等償却)3年に分けて1/3ずつ
10万円以上〜40万円未満少額減価償却資産の特例(青色申告限定)買った年に全額
40万円以上通常の減価償却(耐用年数で按分)耐用年数に応じて毎年

多くのフリーランスにとって最も使いやすいのが、青色申告の「少額減価償却資産の特例」です。40万円未満なら買った年に全額経費にできるので、節税効果が大きくなります。

10万円未満なら迷わず「消耗品費」でOK

税込10万円未満のデスクやチェアは、消耗品費として購入した年に全額経費計上できます。これがいちばんシンプルな処理です。

具体例:デスク59,800円+チェア39,800円の場合

それぞれ10万円未満なので、両方とも消耗品費として一括経費にできます。合計99,600円でも、1点ごとの金額で判定するのがポイントです。

  • デスク 59,800円 → 消耗品費(全額経費)
  • チェア 39,800円 → 消耗品費(全額経費)

「セットで買ったから合算して10万円超え?」と心配する方もいますが、デスクとチェアはそれぞれ単独で機能するため、原則として1点ずつ判定します。ただし「デスク+引き出しユニット」のように、組み合わせないと使えないものはセットで判定されることがあります。

10万円以上のデスク・チェアは「減価償却」が必要

10万円以上の備品は、原則として買った年に全額経費にはできません。「資産」として計上し、耐用年数に応じて少しずつ経費にしていく——これが減価償却です。

デスク・チェアの耐用年数

品目耐用年数勘定科目
金属製の事務机・事務椅子15年工具器具備品
金属製以外の事務机・事務椅子(木製など)8年工具器具備品

正直に言うと、15年や8年かけて経費にするのは長いですよね。そこで活用したいのが、次に紹介する2つの特例です。

青色申告なら「少額減価償却資産の特例」が最強

青色申告をしている個人事業主は、40万円未満の資産を買った年に全額経費にできる特例が使えます。正式名称は「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」です。

この特例は令和8年度税制改正により、従来の「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられました(2026年4月1日以降に取得し事業の用に供したものから適用。適用期限は2029年3月31日まで)。高機能オフィスチェアなど、30万円台の備品も一括経費にできるようになり、フリーランスにとってさらに使いやすくなっています。

特例の条件

  • 青色申告をしていること
  • 1点あたりの取得価額が40万円未満(税込経理なら税込、税抜経理なら税抜で判定)
  • 年間の合計額が300万円まで
  • 確定申告書に明細を添付すること(青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄に記載)

シミュレーション:15万円のオフィスチェアを買った場合

処理方法1年目の経費節税効果(所得税率20%の場合)
通常の減価償却(金属製・15年)10,000円2,000円
一括償却資産(3年均等)50,000円10,000円
少額減価償却資産の特例150,000円30,000円

1年目の節税効果だけで見ると、特例を使うかどうかで28,000円の差が生まれます。所得税率が高い方ほどこの差は大きくなります。

白色申告の場合は「一括償却資産」を活用

白色申告の方は少額減価償却資産の特例が使えません。その場合、10万円以上20万円未満の備品なら「一括償却資産」として3年で均等に経費にできます。

  • 15万円のチェア → 50,000円 × 3年で経費化
  • 固定資産税(償却資産税)の対象にならないメリットもある

20万円以上の場合は通常の減価償却になるため、白色申告の方は20万円未満に価格を抑えるのも一つの戦略です。

自宅兼事務所なら「家事按分」も忘れずに

自宅で仕事をしているフリーランスの場合、デスクやチェアをプライベートでも使うなら家事按分が必要です。

按分率の考え方

使い方按分率の目安
仕事専用のデスク・チェア(仕事部屋に設置)100%
仕事とプライベート兼用(リビングに設置)50〜70%
ほぼプライベート使用(たまに仕事で使う程度)20〜30%

按分率に法律上の決まりはありませんが、税務調査で説明できる根拠を持っておくことが大切です。「仕事部屋に常設している」「業務時間は1日8時間」など、合理的な理由があれば問題ありません。

按分を含めた計算例

12万円のデスクを購入、事業使用割合70%、少額減価償却資産の特例を利用する場合:

  • 経費計上額:120,000円 × 70% = 84,000円
  • 所得税率20%なら、節税額は約16,800円

よくある疑問をQ&Aで整理

Q1. ゲーミングチェアは経費にできる?

事業で使っているなら経費にできます。デザイナーやエンジニアなど、長時間のデスクワークが業務に必要な場合、高機能チェアを選ぶ合理的な理由があります。ただし、自宅兼用の場合は家事按分が必要です。

Q2. スタンディングデスクや昇降デスクも対象?

はい、通常のデスクと同じ扱いです。健康維持が業務効率に直結するフリーランスにとって、昇降デスクは合理的な選択と言えます。金額に応じた処理方法を選びましょう。

Q3. 中古で買った場合はどうなる?

中古品も同じルールが適用されます。10万円未満なら消耗品費、10万円以上なら減価償却です。中古の場合、耐用年数の計算が変わることがありますが、少額減価償却資産の特例(40万円未満)を使えば一括経費にできるため、実務上はあまり気にしなくて大丈夫です。

Q4. 「税込10万円」と「税抜10万円」、どちらで判定する?

あなたの経理方式に合わせます。

  • 税込経理(免税事業者・簡易課税の多くの方)→ 税込金額で判定
  • 税抜経理(原則課税の方)→ 税抜金額で判定

たとえば税抜98,000円(税込107,800円)のデスクの場合、税込経理なら10万円を超えるため減価償却が必要ですが、税抜経理なら10万円未満で消耗品費にできます。

買うタイミングで節税効果が変わる

少額減価償却資産の特例を使う場合、年内に購入・納品が完了していればその年の経費になります。つまり、12月に買っても全額経費にできるということです。

逆に、年末ギリギリに注文して納品が年明けになると、翌年の経費になってしまいます。大きな買い物を考えているなら、納品日を確認してから購入するのがおすすめです。

タイミング判断のポイント

  • 今年の売上が多く、所得税率が高くなりそう → 年内に買って経費を増やす
  • 来年のほうが売上が増えそう → 来年に回して節税効果を最大化
  • 必要なものは必要なときに買うのが基本。節税のためだけに不要な出費をしない

まとめ:デスク・チェアの経費処理チェックリスト

  • 10万円未満 → 消耗品費で全額経費。もっともシンプル
  • 10万円〜40万円未満(青色申告) → 少額減価償却資産の特例で全額経費がベスト
  • 10万円〜20万円未満(白色申告) → 一括償却資産で3年均等償却
  • 40万円以上 → 通常の減価償却(耐用年数8年 or 15年)
  • 自宅兼用なら家事按分を忘れずに
  • 判定は1点ごとの金額で行う(セット判定に注意)

今日からできるアクションプラン

  1. 今使っているデスク・チェアの購入金額と処理方法を確認する
  2. 青色申告をしていない方は、来年からの切り替えを検討する(少額減価償却資産の特例が使えるようになる)
  3. 買い替えを検討中なら、税込 or 税抜で10万円のラインをチェックしてから購入する

デスクとチェアは毎日使う仕事道具です。「どうせ経費にできるなら、体に合ったものをちゃんと選ぶ」——その判断は、健康面でも税務面でも正解です。無理に安いものを選ばず、自分の働き方に合った環境を整えていきましょう。

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