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会計ソフトで前年所得を確認する方法|国保・住民税通知前のチェックリス

会計ソフトで前年所得を確認する方法|国保・住民税通知前のチェックリス 会計ソフト・帳簿
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「6月ごろに住民税や国民健康保険料の通知が来るけれど、今年はいくらくらいになるんだろう……」

フリーランスにとって、春の確定申告が終わったあとに来る住民税・国保の通知は、もう一つの大きな山場です。所得税の納付が終わって一息ついたタイミングで、住民税の納税通知書や国民健康保険料の決定通知書が届き、想定より高くて慌てる方も少なくありません。

結論から言うと、通知書が届く前に、会計ソフトや確定申告書で「前年所得」を確認しておくと、住民税・国保の負担感をかなり予測しやすくなります。正確な税額や保険料は自治体の計算を待つ必要がありますが、「どの数字を見ればよいか」を知っておくだけでも、資金繰りの準備がしやすくなります。

この記事では、freee・マネーフォワード・やよいなどの会計ソフトを使っているフリーランス向けに、前年所得の確認方法、住民税・国保で見られる数字の違い、通知書が届く前のチェックリストを整理します。

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目次

結論:見るべき数字は「売上」ではなく「所得」

まず押さえておきたいのは、住民税や国民健康保険料の計算で重要になるのは、基本的に売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた後の所得だという点です。

項目意味確認に使う場面
売上請求・入金などで得た事業収入事業規模や消費税の判定で重要
必要経費事業のために使った支出所得を下げる要素
事業所得売上から必要経費などを差し引いた金額住民税・国保の負担を読む入口
課税所得所得から所得控除を差し引いた金額所得税・住民税の税額計算で重要

たとえば、年間売上が500万円でも、経費が200万円なら事業所得は300万円です。ここから基礎控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、iDeCo、生命保険料控除などが差し引かれて、所得税や住民税の計算に使う課税所得が決まります。

一方、国民健康保険料は自治体ごとに料率や計算方法が違います。多くの自治体では、前年の総所得金額等から基礎控除43万円を差し引いた金額をもとに所得割を計算しますが、均等割・平等割・軽減判定なども絡むため、住民税とまったく同じ見方ではありません。

参考:国税庁「事業所得の課税のしくみ」渋谷区「令和8年度国民健康保険料の保険料率などが決まりました」

会計ソフトで確認する場所は3つあります

会計ソフトで前年所得を確認するときは、画面上の「売上レポート」だけを見て終わらせない方が安全です。確認すべき場所は、主に次の3つです。

1. 損益レポートで「年間の利益」を見る

最初に見るのは、会計ソフトの損益レポートです。名称はソフトによって少し違いますが、freeeならレポート、マネーフォワードなら推移表や損益計算書、やよいなら残高試算表・青色申告決算書の作成画面などから確認できます。

ここで見たいのは、次の流れです。

  1. 年間売上はいくらか
  2. 必要経費はいくらか
  3. 青色申告特別控除の前後で所得がどう変わるか
  4. 事業主貸・事業主借を経費と勘違いしていないか

特に注意したいのが、画面に出ている「利益」と、確定申告書に反映される「所得」が必ずしも同じ見え方ではないことです。青色申告特別控除、家事按分、減価償却、期末の売掛金・未払金などが正しく処理されているかで、最終的な所得は変わります。

2. 青色申告決算書または収支内訳書で「所得金額」を見る

次に確認したいのが、確定申告で作成した青色申告決算書、または白色申告の収支内訳書です。

青色申告決算書では、売上、経費、各種調整を経て、最終的な所得金額を確認できます。会計ソフト上のレポートよりも、確定申告に提出した数字に近いため、住民税・国保の予測にはこちらの方が実務的です。

確認する数字見る理由
売上金額前年の事業規模を確認するため
経費合計経費漏れ・二重計上がないか確認するため
青色申告特別控除前の所得事業の実質的な利益感を見るため
青色申告特別控除後の所得申告書に反映される所得を確認するため

青色申告65万円控除を受けている人は、控除後の所得が大きく下がります。所得税・住民税の負担を考えるうえでは、この控除の有無がかなり効きます。

3. 確定申告書で「所得控除後の課税所得」を見る

住民税の概算を考えるときは、確定申告書の所得金額だけでなく、所得控除も見ておきましょう。

  • 基礎控除
  • 社会保険料控除(国民年金・国民健康保険料など)
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • iDeCoの掛金
  • 生命保険料控除
  • 医療費控除
  • 扶養控除・配偶者控除

住民税は所得税と控除額が一部異なるため、確定申告書の数字をそのまま10%かければ完全に一致する、というものではありません。ただ、前年の所得と控除の規模を把握しておけば、「通知が来てから初めて知る」状態は避けやすくなります。

参考:総務省「個人住民税」

国保・住民税通知前のチェックリスト

5月中旬から6月にかけては、前年の申告内容を見直すのにちょうどよいタイミングです。通知書が届いてから慌てるより、先に次の項目を確認しておきましょう。

1. 前年所得が前年より大きく増えていないか

前年より所得が大きく増えている場合、住民税と国保は遅れて重くなります。たとえば、2025年の事業所得が2024年より100万円増えているなら、2026年度の住民税・国保に反映される可能性があります。

所得が増えたこと自体は良いことですが、手元資金の管理では注意が必要です。売上が増えた翌年ほど、税金・社会保険料の支払いに備えて現金を残しておきましょう。

2. 経費の入れ忘れがないか

確定申告後でも、控えを見返すと「この経費を入れ忘れていたかもしれない」と気づくことがあります。通信費、ソフトウェア代、書籍代、交通費、家事按分などは、フリーランスが漏らしやすい項目です。

すでに申告した内容に誤りがある場合、税額が増える方向なら修正申告、税額が減る方向なら更正の請求を検討します。判断に迷う場合は、税務署や税理士に確認してください。

参考:国税庁「確定申告を間違えたとき」

3. 国保の軽減判定に必要な所得申告が抜けていないか

国民健康保険料の7割・5割・2割軽減は、多くの自治体で前年所得をもとに自動判定されます。ただし、所得が未申告だと、自治体側で軽減判定ができないことがあります。

特に、前年の収入が少なかった人、開業直後で所得がほとんどなかった人、家族の中に申告していない人がいる世帯は注意が必要です。所得がゼロでも、自治体への所得申告が必要になる場合があります。

この点は、前回の記事「フリーランスの国民健康保険料を安くする方法|所得控除・国保組合・法人化を比較」や、国保軽減制度の記事と合わせて確認しておくと理解しやすいです。

4. 6月以降の納付資金を別口座に分けておく

住民税や国保は、通知書が届いてから「思ったより高い」と感じやすい支出です。会計ソフトで前年所得を確認したら、6月以降の納付資金を事業用口座や税金用口座に分けておくのがおすすめです。

ざっくりした目安として、所得が安定しているフリーランスなら、毎月の利益から20〜30%程度を税金・社会保険料用に避けておくと、急な通知に対応しやすくなります。もちろん、所得水準・扶養・自治体の国保料率によって必要額は変わります。

会計ソフト別に見るときの考え方

ここでは、特定の画面名に依存しすぎず、主要な会計ソフトで共通する見方を整理します。実際の画面はアップデートで変わるため、最新の操作方法は各社のヘルプも確認してください。

会計ソフト確認しやすい場所見るポイント
freeeレポート、確定申告書類の作成画面損益、青色申告決算書、申告書に反映された所得
マネーフォワード クラウド確定申告各種レポート、決算書・申告書の作成画面損益計算書、青色申告決算書、所得控除
やよいの青色申告オンラインレポート、確定申告書類の作成画面残高試算表、青色申告決算書、申告書の控え

どのソフトでも、最終的に大事なのは「確定申告書として提出した数字」です。会計ソフトのダッシュボードに出ている利益だけで判断せず、申告書類の控えまで確認しましょう。

通知書が届いたら、会計ソフトの数字と照合する

住民税や国保の通知書が届いたら、会計ソフトで確認した前年所得と、通知書に記載されている所得金額・賦課所得・軽減判定所得などを見比べます。

  • 前年所得が大きく違っていないか
  • 国保の所得割に使われている金額が想定とズレていないか
  • 軽減制度の対象だと思っていたのに反映されていない理由は何か
  • 世帯主や家族の所得が判定に含まれていないか
  • 納期限ごとの支払額が資金繰り上無理のない範囲か

もし明らかにおかしいと感じる場合は、通知書、確定申告書の控え、青色申告決算書、本人確認書類を用意して、自治体の住民税・国保担当窓口に確認しましょう。会計ソフトの画面だけではなく、提出済みの申告書控えを持っていくと話が早くなります。

まとめ:5月のうちに前年所得を見ておくと、6月の通知に慌てにくい

会計ソフトで前年所得を確認する目的は、細かい税額を自分で完全に計算することではありません。住民税・国保の通知が来る前に、負担が増えそうか、資金をどれくらい残すべきかを先に把握することです。

最後に、今日からできるチェックリストをまとめます。

  • 会計ソフトの損益レポートで前年の利益を確認する
  • 青色申告決算書・収支内訳書で申告済みの所得金額を見る
  • 確定申告書で所得控除後の課税所得を確認する
  • 前年より所得が増えている場合は、6月以降の納付資金を厚めに残す
  • 通知書が届いたら、所得金額・賦課所得・軽減判定の有無を照合する

フリーランスのお金管理は、「申告して終わり」ではなく、その後に来る住民税・国保まで見て一区切りです。5月のうちに前年所得を確認して、6月以降の支払いに落ち着いて備えておきましょう。

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